接骨院(整骨院)、整体院、いったい何が違うの!?

接骨院
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接骨院で柔道整復師として働いていると、患者さんの接骨院についての理解が曖昧だということに気付かされることがあります。

もちろん、「柔道整復師の業務範囲」なんて話をすると業界の人間でない限り、知っている人は少ないと思いますが、よく患者さんが口にされるのは「接骨院」と「整体院」の混同ですね。

接骨院で「整体の先生」と呼んでいたり、「柔道整師」なんてのも耳にします。保険診療の際には他の接骨院で治療を受けているかどうかをお聞きすることがあるのですが、その時も「接骨院」なのか「整体院」なのか患者さん本人もはっきりとわかっていない場合もあります。

ということでいくつかの疑問を簡単に説明していきましょう。

 

 

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接骨院(整骨院)とはどういうところ?

「接骨院」はどういった時にお世話になるかというと、怪我をした時に行くところです。ちなみに、「整骨院」も名前が違うだけで、「接骨院」と全く同じです。

そして、「接骨院」で働いている人は柔道整復師といいます。柔道整復師になるには3~4年の専門学校または大学を卒業した後、柔道整復師国家試験に合格しなければなりません。

たまに混同されている方もいらっしゃいますが、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師とはまた別の資格になります。

そして、柔道整復師の特色としては保険診療ができるという点が挙げられます。このおかげで安く診療を受けることができるわけですが、注意すべきなのは急性疾患に限られるという点です。柔道整復師の扱える疾患は「骨折、脱臼、捻挫、挫傷、打撲」に限られているのです。

ですので、慢性的な肩こりや腰痛といった場合、保険を使った施術はできないのです。

なかにはリラクゼーションとして慢性の肩こりや腰痛に対して施術している接骨院もありますが、この場合は保険外診療でなければいけません。

「接骨院」は読んで字の如く、骨を接いでいたのですが、今では「整形外科」がたくさんできていますので骨折や脱臼はそちらの方にいかれることが多くなりました。

その結果、多くの接骨院が上に挙げた5疾患以外の慢性の疾患に対しても診ていかないと経営面で成り立たないというのが現在の状態です。

慢性の肩こりや腰痛であっても「接骨院」で診てもらえると勘違いしてしまっている患者さんがたくさんいるのではないでしょうか。

ただ原則として、「接骨院」の専門分野は急性疾患であって、寝違えやぎっくり腰に対しては保険診療で診ることができますが、ただの肩こり・腰痛に対しては保険外診療であるということを理解しておいてください。

また、「骨折、脱臼、捻挫、挫傷、打撲」に関しては「接骨院」で診てもらえると言いましたが、この中で「骨折、脱臼」についてですが、あくまで応急処置という範疇において処置ができるということになります。

といいますのも、柔道整復師がレントゲンをとることはできませんし、診断を下すことはできないからです。

もし、継続して「接骨院」で治療をしてもらいたい場合はいったん「整形外科」を受診してから、医師の同意をもらう必要があります。

 

整体院って一体どういったもの?

では、整体とはどういったものでしょうか。

よく町中で整体という看板を見かけたり、「整体師」といった言葉を使っていたりしますが、僕自身、「整体とは何ですか?」と聞かれると明確に答えることはできません。

というのも、「整体」という言葉はすごく曖昧で漠然としているからです。

一応、大辞泉から「整体」について引用してみると、

 

「手や足の力を用いて骨格を矯正し、筋肉や内臓などの各部のバランスを整えて、本来の状態に戻すこと。」

 

「骨格を矯正」と聞くとカイロプラクティックを思い浮かべますし、「筋肉や内臓などのバランス」についてはオステオパシーを思い浮かべます。

そしてそのどちらも日本においては整体のカテゴリーに分類されます。

というのも、ここで使う「整体」という言葉は、日本国内における国家資格を持たいないものの総称であり、「整体師」とは誰もが自由に名乗れるものだからです。

なので、たとえ海外で大学を卒業したカイロプラクターやオステオパスであっても、日本においては無資格者となってしまうのです。

そして更にいえば、法的な制限がないということは、誰もが自由にいつでも名乗ることができるということです。

極論を言えば、数日の講習を終えただけでも、全く知識や経験がゼロであっても開業することが可能なんですね。

このような背景から日本においてカイロプラクターやオステオパスを選ぶ際には特に気を払う必要があります。

また、「整体」という言葉が使われ始めたのは大正時代といわれており、欧米や中国の手技療法と日本の手技療法を融合したものが広がったのですが、現在の「整体」という言葉の曖昧さが表すように、ひとつの体系だった手技療法ではなく、当時の個人個人の技術で終わってしまっている点はとても残念でなりません。

このように「整体」といった場合は、国家資格とは別の民間療法のことを指し、その手技は様々であるといえるでしょう。

「接骨院」でも保険診療で扱わないものに関しては「整体」として実費診療で施術をしているところもあります。

 

どちらのほうがいいのか?

では、「接骨院」と「整体院」はどちらを選べばいいのか。

これについては自分の体の状態や院の評判によっても変わってくると思います。

ただ、もし僕が患者だとしてどのように選ぶか考えたところ以下のように選ぶだろうと思います。

まず、骨折や脱臼というはっきりとした怪我の場合は「接骨院」や「整体院」ではなく、「整形外科」を受診しましょう。なぜかと言うと「接骨院」ではレントゲンは撮ることができないですし、「整体院」では治療自体ができません。

「整形外科」でレントゲンなり画像所見や検査で診断してもらうことが最優先となります。

そして、たとえば軽い捻挫や病院へ行くほどでもない怪我だけど、ほっとくには少し不安があるような場合、「接骨院」を受診しましょう。

そして「接骨院」を選ぶ際にはエコーがあるかどうかをひとつの目安としましょう。

「接骨院」ではレントゲンはとれませんが、エコーで患部を観察し、判断の参考としているところがあります。

もし、骨折などの所見があった場合などは「整形外科」への受診を進められますし、そのまま治療できる範疇であれば継続して治療をしてもらえます。

そして、「整形外科」や「接骨院」を受診した上で、なかなか症状が改善しない場合、たとえば、痛み止めやその場しのぎの処置だけだと感じるならば、「整体院」を試してみるのもいいかもしれません。また、慢性的な肩こりや腰痛などの場合も「整体院」で得意とする分野かもしれません。ただ、「整体院」の場合は国家資格などの一定の基準がないので技術や知識はピンキリという点を十分に理解しておきましょう。

 

まとめ

このように「接骨院」「整体院」に加えて「整形外科」についてもみてきましたが、それぞれに利点や欠点などあると思います。

第一選択肢としては「整形外科」とし、状況に合わせて「接骨院」や「整体院」に行ってみてはいかがでしょう。

また、保険診療か自由診療かという点も治療を選ぶ上での重要な要素となってくると思います。

現在の自分の怪我、または体の不調が急性疾患かまたは慢性疾患かという点からもどこを受診すればよいかのひとつの目安となるでしょう。

自分にあった治療院や施術者に出会えれば、きっと満足のいく治療を受けることができるでしょう。

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ゴロゴロをモットーにゆる〜くブログを書いています。学生の頃にメモ代わりに始めた「柔整師のゴロ合わせ」は試験勉強する学生たちの役にたっているはず!

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