「カブのバッテリー交換の費用」ですが、作業自体は簡単なので自分で交換すれば経済的に安くすみます。
カブに使われているバッテリーは3,000〜4,000円程度で手に入ります。バイク屋に頼むと1万円はかかるので、工具などの諸費用を含めても半額以下に抑えることができます。
ただし、十分に注意しておこなわないとバイク自体が故障してしまい、最悪な結果を招いてしまいます。また、バイクだけでなく火災や引火爆発などを起こしてしまう危険な作業であることを知っておいてください。
今回は、リトルカブのバッテリー交換の際に「プラス端子とマイナス端子を逆につないでしまい、最終的に廃車となった体験談」をご紹介します。
これからバッテリー交換を自分でしようとしている方はこの記事を最後まで読んで不要な失敗を防いでください。
この記事はリトルカブのバッテリー交換についてです。型番はこちらの記事を参照してください。
バッテリー交換で注意すること
まずはバッテリー交換で気をつけなければならない初歩的な事柄を確認しましょう。
●エンジンを切ってキーを抜いておく。
●はずす時はマイナス端子(-)からはずす。
●つなぐ時はプラス端子(+)からつなぐ。
●ビニールテープでバッテリー端子をまく。
バッテリー交換をするときは走行直後ではなく、少しエンジンを休めた状態でおこなうようにしましょう。
エンジンキーを抜いた状態であれば、エンジンの切り忘れやどこかのスイッチが入っていたりすることも防げるでしょう。
そして、絶対に注意しないといけないのが「バッテリーをはずす時・つなぐ時」の手順です。
重要な事なのでもう一度いいます。
●はずす時・・・マイナス端子(-)からはずす。
●つなぐ時・・・プラス端子(+)からつなぐ。
そして、念のためにはずした端子はビニールテープで巻いておきましょう。そうすることで、端子が車体に接触してショートを起こしてしまうのを防ぐことができます。
バッテリー交換で準備するもの
「リトルカブ」のバッテリー交換で必要なものを紹介します。
①バッテリー
カブの型番にあったバッテリーを選んでください。
おすすめはメーカー純正品として採用されている日本製「GSユアサ」
少しでも価格を抑えたいなら「台湾ユアサ」
②コインドライバー(10円玉でもOK)
③六角スパナ(10mm)
④プラスドライバー(2番)(絶縁加工されたものがおすすめ)
⑤ビニールテープ
⑥ゴム手袋
手順①サイドカバーをはずす
それではバッテリー交換を始めます。
正しい手順を紹介しますので、安心して読み進めてください。
まずは車体の右側のサイドカバーをコインドライバーで取り外します。マイナスドライバーや10円玉でも代用できます。
はずすとバッテリーケースが姿を現します。
ちなみに車体の左側のサイドカバーは物入れになっていて、工具が入っているかもしれないので一度確認しておくと良いでしょう。
手順②バッテリーケースのネジをはずす
バッテリーケースは2ヶ所でネジ止めされています。
六角スパナ(10mm)ではずしていきます。
ネジをはずすとバッテリカバーを取りはずすことができます。
ケースのフタを開けるために、赤い配線をツメからはずします。
そうするとフタが開けられ、バッテリーを取り出すことができます。写真ではカバーごと取りはずしていますが、バッテリーだけ抜いて取りかえるほうがいいでしょう。
手順③バッテリーをはずす
さあ、バッテリーを取りはずします。
覚えていますでしょうか。
「はずす時はマイナス端子(-)からはずす。」
この場合は緑の配線がマイナス端子(-)です。
はずした端子は車体に触れないようにビニールテープで巻いておきましょう。
マイナス端子(-)がはずせたら、次はプラス端子(+)をはずします。
この場合は赤の配線がプラス端子(+)です。
無事にバッテリーを取り出せました。
プラス端子(+)にもビニールテープを巻いて、車体に触れないように注意しましょう。
右の純正バッテリーには「TIANJIN YUASA」と表記されていますが、これは「GSユアサ」の「天津工場」で製造されたものでしょう。
ちなみに同じユアサでも「GSユアサ」と「台湾ユアサ」は全くの別会社とのことです。
バッテリーの質についても違いがあるようですので、純正にこだわる方は「GSユアサ」のバッテリーがおすすめです。
背面、上面はこんな感じです。
購入したバッテリーは「電解液注入済み」で「初期充電」もショップでしてくれているため、このまま取り付けます。
手順④バッテリーを取り付ける
「取り付ける時はプラス端子(+)から取り付ける。」
プラス端子(+)である赤の配線から取り付けていきます。ビニールテープをはずしたら端子が車体に触れないように注意しながら作業を進めます。
赤のプラス端子(+)に続いて、緑のマイナス端子(-)を取り付けます。
あとはバッテリーケースに戻して、はずしたネジを止めれば「バッテリー交換」は終了です。
プラス端子とマイナス端子を逆につなぐとどうなるか
これまで、バッテリー交換の手順を紹介してきましたが、今回は誤って「プラス端子とマイナス端子を逆」につないでしまいました。
1つ目を逆につなぎ、2つ目の端子をつないだ瞬間に「バチッ」と火花がとびました。
なにかがおかしいと思い、配線を確認すると「プラス端子とマイナス端子が逆」になっていました。
その後に慌てて端子をはずして、正しい配線でつなぎ直しました。
大丈夫かなと心配しつつ、キーをONに回してもニュートラルランプは点灯しない。
スタータースイッチを押してもエンジンはかからない。
ヒューズを確認すると、ヒューズが切れていました。
バッテリーケースには「予備のヒューズ」が備え付けられています。
とりあえず、ヒューズの交換をしました。
「これで大丈夫かな?」と思った矢先、配線からもくもくと白い煙が上がりました。
驚いて、すぐにバッテリーを取りはずしました。
ヒューズを見てみると、取り替えたヒューズも切れているし、配線の被覆が溶けて銅線がむき出しになっているではありませんか!
他の配線も確認してみると広い範囲で被覆が溶けてしまっていました。
これ以上なにかするのは危険だと判断して、バイク屋さんに見てもらうことにしました。
引き取ってもらうときには、「配線を交換すれば大丈夫かもしれない。」とのことでしたが、結局は他の部分もダメになっているとのことで廃車となってしまいました。
バッテリー交換のまとめ
バイクのバッテリー交換は作業自体は簡単で、自分でできれば経済的に安くすみます。
同時に、専門的な知識が必要な作業でもあります。
また、小さなミスで危険な状況になる場合があることも知っておく必要があるでしょう。
注意する点をまとめると、
●はずす時・・・マイナス端子(-)からはずす。
●つなぐ時・・・プラス端子(+)からつなぐ。
●プラス・マイナス逆につなぐとバイクが廃車となってしまう危険もある。
最後に、個人的な反省点をあげて終わりにします。
今回、夏の炎天下の中で作業をしていました。写真撮影もしながら頭がボーとしていたように思います。
さらに運の悪いことに、バッテリーをはずしたタイミングで近所の人に話しかけられて作業を中断していました。
バッテリー取り付けを再開した時には集中力を欠いていたと思います。
ですので、作業を行う時には以下の環境を整えてバッテリー交換をしてください。
●風通しのよい、涼しい場所を確保する。
●邪魔が入らないように集中できる時間帯を選ぶ。
長年にわたって愛用してきた「リトルカブ」ですが、自分のちょっとしたミスでお別れとなりました。
とても残念なことですが、このブログを通してこれからバッテリー交換をされる方が同じよう失敗をしないようにしてもらえたらと思います。
皆さんが安全なバッテリー交換を行えるように願っています。